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ガーデンに役立つ情報が満載!ガーデン植物講座

色彩で選ぶ植物たち

1. 植栽における色彩の考え方

ガーデンの植栽デザインを考える場合、通常まず主役となる植物を選択します。ガーデンを構成する植物は使用目的や機能性、文化性などによってカテゴリーが分かれますが、主役の植物ばかりではガーデンデザインにメリハリがつかず、演出効果が薄れてしまいます。

視覚的評価が大半を占めるデザインのなかで、色彩は最も重要な要素の一つといえます。植物の組み合せ次第でその空間がまったく異なった雰囲気になります。自然の色を印象的にとらえていくと植栽プランに大きく役立ちます。まず、第一に一日の時間によって植物の色彩が変化して見え、天候によっても異なってきます。

また、あたりまえの事ですが、季節によっても変化していくことを概念として理解しておく必要があります。芸術の世界で印象派の画家たちが描いた作品には多くの参考となるヒントがあります。モネの「睡蓮」は朝、昼、夕方のそれぞれの美しさを描いたものです。

美しい葉色の樹木をうまく使った演出(英国 オックスフォード郊外)
美しい葉色の樹木をうまく使った演出
(英国 オックスフォード郊外)

つまり、私たちが創造していく庭での植栽は、
時間、季節をふまえてどのように変化していくかを考えながら組み合わせていく必要があるということです。

非常に難しく感じますが、
植物をよく観察し季節の移り変わり中で自然をみていくと美しいと感じるもの、とき、ことがおのずと見えてきます。
芸術や文学などの作品の中にも先人の感じた感性が記されているので、意識して学習していきましょう。
言葉や文章では伝えきれないことがらなので、普段から体感しておくことが大切です。

葉の色彩の美しさ、形の面白さを楽しむ植物をフォリッジプランツと呼びます。
カラーリーフという言葉も最近かなり普及してきましたが、カラーリーフも含むと考えたほうがよいでしょう。
ヨーロッパの街並みを散策すると、あらゆるところでこのフォリッジプランツに出会います。

植物の美しさを花だけでなく葉や茎全体でとらえ、ガーデンや街並みの景観にデザインとして取り入れていくことは、
私たちのくらし環境をよりよくしていく上で欠かせない存在となってきています。
癒しの必要とする都市部においては有効性がより高まることでしょう。
基本的に銀白色系の植物をいくつか持っておくと非常に便利です。
白色、黒色そして中間色のグレーは無彩色ですから、他のどの色彩とも組み合わせても調和します。

銀白色系の植物と暗い色と組み合わせればコントラストがはっきりしますし、
明度の高い黄色などの色彩と組み合わせるとやわらかな感じを創りだすことができます。
またあまりフォリッジプランツばかりを多用するとそれぞれの色彩がけんかしてしまい、かえって美しさを損ねてしまうので要注意です。


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藤岡 成介(ふじおか せいすけ)
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。株式会社タカショー 顧問。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。
監修:藤岡 成介(ふじおか せいすけ)